ホームへ戻るの下のイベント・セミナー等の下の平成21年 学生リポーターが企業を訪問

平成21年 学生リポーターが企業を訪問

当事業は終了しました

奈良県また近畿地区の大学生と短大生が奈良県の元気企業20社を訪問しました。
学生が見た企業の魅力と新鮮情報を紹介します。

「傍(はた)を楽(らく)にする葛城工業」 葛城工業(株)
大阪商業大学 経済学部 経済学科(2回生) 小山 卓也
  濱家  毅
 私たちは葛城工業株式会社様を訪問し、吉岡弘修社長から直々にお話をしていただきました。葛城工業さんの事業内容は主に建築金物やユニットバスルーム・システムトイレ向けの組み立て用部材の製造販売です。また主な取引先としてTOTOやINAXのような大企業とも提携されています。

私たちは葛城工業さんを訪問させていただいたことで、これまでの中小企業へのイメージが随分と変わりました。訪問する前は中小企業とは一体どういうことをされているのかあまり知らず、また、初めての中小企業への訪問ということもあってとても緊張しました。しかし実際に訪れてみると、会社はとてもきれいで、ものづくり工場という雰囲気はほとんどありませんでした。そして吉岡社長とお会いして、訪問前の緊張がうそのように、優しい人で、器の大きさ、パワーというものを感じました。

 たくさんのお話のなかで、社長になられた経緯や会社を経営していくうえで大切なこと、大変なことについて聞くことができました。経営するにあたって一番難しいのは人事の問題で、特に給料を、どう配分するか賃金体系を決定するのが難しいそうです。社員の方々は、経営が苦しいときは多少の痛みを伴うことに了承してくれますが、経営が上向きのときには、なかなかそうはいかず配分に苦労されるそうです。また、組織が大きくなるにつれてシステムや規則を取り入れなければならず、それによって結束力が弱くなるといった点でも大変であるということでした。

社長ご自身は、父親の会社を引き継がれたあと、会社に勤務しながら研修会に参加するなどで経営のノウハウを勉強されたそうです。学生である私たちもこういった姿勢は、見習っていきたいと思いました。
「傍(はた)を楽(らく)にする葛城工業」 葛城工業(株)

「傍(はた)を楽(らく)にする葛城工業」 葛城工業(株)  また、聞き上手になることが重要だと教えてくださいました。それは、人の意見をただ聞くのではなく、その意見に対して自分も考え自分のものにしていくことが成長につながるとのことでした。そしてまた、自分が不得意だと思うところは、できるだけ改善するよう努力し、真のたくましさをつけることが大事とお話くださいました。

そして、最も印象に残った言葉が、「はたらくとは『傍を楽にすること』」でした。その言葉から、社長は自分の利益のために働いておられるのではなく、自分が働くことで他の誰かの役にたてることを喜びとしておられるのだと感じました。それは葛城工業さんが製造だけでなく、一種のサービス業としての一面を持っておられることにつながっているのだと思いました。

 訪問の最後には社長自らの案内で工場見学をさせていただきましたが、工場内には様々な重機械や細かい部品が天井に届くくらいまで、配置されていることに驚きました。また工場で勤めておられるみなさん一人ひとりが、真剣に作業に取り組んでおられる姿にも感動しました。 「傍(はた)を楽(らく)にする葛城工業」 葛城工業(株)

 今回、実際に会社を経営するにあたって大切なことを、丁寧にお話していただいたことで、商業系の大学に通う私たちにとっては、勉強になることばかりでした。

また、大学の講義で聞いたことに関しても、自らの経験談を交えて、その時どのように対応したのかなど、具体的に説明していただき、とても新鮮で刺激を受けました。

お忙しいなかにもかかわらず、たくさんのことを学べる場を設けてくださった吉岡社長、ありがとうございました。
 
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「相互扶助の精神」 大倭殖産(株)
天理大学 ヨーロッパ・アメリカ学科(3回生) 苅安 健太郎
  鷲谷 みちこ
 私たちは今回、大倭殖産株式会社様に企業リポートにお伺いしました。お忙しいなか、一級建築士であり常務取締役の相本忠秀様と取締役総務部部長の竹内靖様にお話を聞かせていただきました。

大倭殖産さんは建設業として40有余年の実績を持たれ、ポリシーである相互扶助・環境創造の精神により、建設されたものは広く民間工事から公共工事まであります。特に、「相互扶助」という基本理念に則って、医療・福祉関連に重点がおかれており、現在日本で問題視されている少子高齢化に必要となる個人住宅のリフォームなどにも取り組んでおられます。大倭殖産さんの強みは、やはり社会福祉への貢献です。ただ社会福祉だけに気を配るのではなく、環境へも配慮をした建設をしておられます。

こうした取り組みにより、今も独自の経営ノウハウが成長し続けている、雇用のニーズも幅広く堅実な会社です。

 建設業は各分野に分かれており、大倭殖産さんではお客さまのニーズに合わせた大工・左官などの多くの職人さんや建設する行程すべてを管理されています。

お客さまの要望を満たす企画力・提案力、信頼を得る技術、そして高い対応力を持つことによって、よりお客さまに信頼いただける建設物とサービスの提供を目標とされています。さらにはこの建設事業により、地域社会への貢献を行い、社会とともに成長することを目指されている素晴らしい会社であると痛感しました。
「相互扶助の精神」 大倭殖産(株)

「相互扶助の精神」 大倭殖産(株)  しかし、お客さまからの注文のなかには、とてもコストがかかるものもあり、そこでのコストの削減や品質を維持していくためには、やはりお客さまの生の声を聞き、相談やきめ細かな話し合いが必要になってきます。その際、どこまでお客さまにご理解いただき、妥協をしていただけるのかというところに鍵があり、そこには実践経験を多くつんだ社員で交渉が行われています。

そして、「顧客第一」を基本に、どのようなお客さまにも対応できるよう、社員教育にも力を入れておられます。

 企業としてやはり大事なのはどれだけ確かな信頼を得るかということに尽きますが、この業界は人が生活していく上で、必要な衣食住の住を取り扱っており、廃れることはないと話されました。

しかし反面、生活のベースとなるものですから、建築という市場には激しい競争があるのは必至であり大変な努力も必要であるとのことでした。
「相互扶助の精神」 大倭殖産(株)

 最後に、相本さんに、これから社会を担う若者に対しての期待をお伺いすると、「たゆみないチャレンジ精神をもって、力強く行動をおこしてほしい」とおっしゃいました。このお言葉から大倭殖産さんのますますの発展と可能性をも、窺い知ることができました。
 
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 「経営者の気持ちで」 (株)栗原製作所
奈良県立大学 地域総合学科(3回生) 米澤 郁弥
  山田 裕子
 このたび、私たちが企業訪問させていただいたのは、株式会社栗原製作所様です。

栗原製作所さんは「鶏卵パック」のみを製造・販売されている専門メーカーです。また、昭和38年に日本で初めてプラスチック素材の鶏卵パックを作られ、今日まで45年間にわたって鶏卵パックを作り続けてこられた歴史ある、今や業界トップの会社です。

業界としては馴染みがありませんが、鶏卵パックそのものは、生活に密着した必需品であり、お客様のニーズに応えるためのご苦労や経営のしかたなどについて、社長の栗原照次郎様にお話を聞かせていただきました。

 インタビューをさせていただいて、何よりも感動したのは栗原社長さんがとてもお元気であるというところです。社長さんらしい堂々とした、そしておしゃれな風貌はもちろんですが、終始、目を輝かせて活き活きとお話される姿に大変衝撃を受けました。おそらく、栗原製作所さんは製造業であるため、男性社員の方も多く、その方たちを1つにまとめていくためにも、社長さんご自身が先頭にたち元気に行動されているのだと思います。  「経営者の気持ちで」 (株)栗原製作所

 「経営者の気持ちで」 (株)栗原製作所  栗原製作所さんは、下請け業者に頼らず鶏卵パック用シートから成型まで、鶏卵パック製造全工程を自社で一貫生産されているのが特徴です。これは経営方針である「Q・C・D・V」に基づいています。「Q・C・D・V」とはQ(quality)、C(cost)、D(delivery)、V(variety)のことで、「よりよい商品(Q)を、より安く(C)、より早く出荷(D)し、多くの種類を揃える(V)」を基本に、業界でいち早く鶏卵パック用のシートをつくる機械を導入されています。導入には多額の費用が必要とされましたが、導入を早く決断したことにより、他社との競争に競り勝つことができたとのことです。

 また、栗原製作所さんでは、社員の皆さんに、常々「経営者の気持ちで仕事をすること」と言われているそうです。その理由は、経営者であれば、すべて自分のこととして考え行動することになり、無駄なことができないからです。たとえば、前述の鶏卵パック製造全工程を自社で一貫生産されていることも関係があります。製造工程の途中で発生した廃棄物を、ただ捨てるのではなく、上手にリサイクル利用することにより、コストダウンにつながっているとのことです。

お話を伺った応接室には、「人生には、勇気と努力と忍耐が必要」という言葉が掲示されていました。「人生には、大きな決断しなければならないときが必ず来る。そのとき、“勇気”“努力”“忍耐”を持って行動しなければならない」と説明してくださいました。鶏卵パック用シートを製造する機械を導入する際も、経営者として非常に厳しい決断が問われるなか、この3つの言葉を大切にされたそうです。
 「経営者の気持ちで」 (株)栗原製作所

 現在でこそ業界のトップになられていますが、その過程では、随分と大変なご苦労や大きな決断を余儀なくされてきています。その一つひとつは、これから社会人になっていく私たちにとても役立つお話ばかりでした。特に、「経営者の気持ちで」というお言葉は、社長の生き方そのもので深い意味が感じられ、私たちの心に強烈に残りました。

全社員がいつもそのような気持ちを持ち、みんなで力を合わせて行動されてきたことが、不動の業界トップという結果に現れているのだと思いました。
 
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「お客様に楽しみを提供する〝ひろしや〟」 (株)ひろしや
摂南大学 経営情報学科(3回生) 中植 裕也
  杣本 朋昭
 僕たちは、ビジネスホテル大御門・グリーンホテル馬酔木を経営されている株式会社ひろしや様に学生リポーターとして企業訪問をさせていただきました。

時間どおり訪問しますと、社長の川端 紘様が、すでに入口に立っておられ、にこやかに出迎えてくださいました。ひろしやさんでは、「すべてお客様のために」を第一に考えておられるとのことでしたが、僕たちもお客様のように快く迎えていただく姿から、すでに始まっていると実感しました。

 さっそく、お話を伺う前に、ひと通りホテルにある施設を、社長が説明しながら案内してくださいました。社長はとても気さくで話しやすい方で、僕たちの質問に、具体的な実例を入れながら分かりやすく説明くださったおかげで、全体像がよくつかめました。この施設案内が、後でリポートするうえで理解しやすいものとなり、大変助かりました。

見学して特に印象に残ったのが、どの施設もお客様に快適に過ごしてもらえるようにと、スペースを広くとっておられることでした。ゴルフガーデンなどは、スペースを詰めれば多く入れることは可能ですが、できるだけゆとりのある空間を大切にされており、ここでも「お客様のために」の考え方が徹底されていることが伺われました。
「お客様に楽しみを提供する〝ひろしや〟」 (株)ひろしや

「お客様に楽しみを提供する〝ひろしや〟」 (株)ひろしや  インタビューは、社長の体験談が中心となりました。豊富なご体験から、社長の経営に対する思いや教えなど、沢山の貴重なお話を聞くことができました。

物事をするうえで、やると決めたら思いきってやることが大切だそうです。逆にやめる決断をすることは大変勇気がいるようです。ホテル・レストラン業界を大きな枠組みでいうと、サービス業になりますが、一番恐い業種かも知れないとおっしゃいました。直にお客様と接するこの業種は風評をもろに受けます。また、チェーン店で一店舗でも不評があれば、すぐに全体に波及し大きい影響を受けることになります。経営者にとっては、このことが一番気の抜けない点とのことで、常に注意を払っているとのことでした。

川端社長は、これまで多業種に着手してこられましたが、これからは、高齢者が増えるということで、デリバリーに注目されているそうで、ますます夢は広がっているようです。

 2時間の訪問でしたが、僕たちはお店を経営していくことがいかに難しくて大変なのかを知ることができました。そして、その苦労が大きければ大きいほど、チャレンジしていくことの面白さがあり、工夫次第で、ビジネスには無限のチャンスがあることも教えていただきました。 「お客様に楽しみを提供する〝ひろしや〟」 (株)ひろしや

 今回、ひろしやさんの経営から、「すべてはお客様のために」、そして「ビジネスには、考えれば無限のチャンスがある」ということ。これは、決して傲慢にならず、いつもみんなと協力して行っていくことが大切であるという素晴らしい基本姿勢と、その実践を学ぶことができました。

この教えを、これから始まる就職活動に、また良い社会人になるために、ぜひ活かしていきたいと思います。

お忙しいなか、時間を割いてくださった(株)ひろしや様の皆様、経営者と接する機会を作ってくださった(財)奈良県中小企業支援センターの皆様、本当にありがとうございました。
 
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「珈琲を愛して40年、藤田社長の思い」 藤田珈琲(株)
奈良佐保短期大学 生活未来科 ビジネスキャリアコース(1回生) 山下 真実
  出口 裕香
 私たちは、東大阪市の高井田にある藤田珈琲株式会社さんに企業リポートに行きました。9月には、奈良の地に工場展開されますが、「本気で珈琲に愛情を込めることに挑戦」されているという姿を、先に学びたいとの思いで参加しました。

藤田珈琲さんは、珈琲を通じてお客様に真の満足と豊かさを提供したいという願いから、ひと昔前はとても高価だった珈琲を「どのようにすれば安く、より良い物がつくれるか」ということを一途に考え、珈琲を製造されている会社です。藤田孟社長とご子息である営業本部長の藤田悟さんは、緊張していた私たちにとても優しく接して下さいました。

 印象に残ったことは、藤田社長が「珈琲が好きだからだけで、始めたわけではない」とおっしゃったことです。経済が成長することに比例して、これから珈琲市場が大きくなると考えられ、この世界に魅力を感じ起業されたとのことです。

珈琲豆を製造される際は、「お客様に飲んでもらい、憩いのひととき、至福のひととき、うるおいのひとときを、感じてほしい」それを切に願っておられるそうです。「お客様に、価格以上のおいしさを味わってもらい、憩い、至福の材料になれば最高です」と何度もおっしゃっていました。
「珈琲を愛して40年、藤田社長の思い」 藤田珈琲(株)

「珈琲を愛して40年、藤田社長の思い」 藤田珈琲(株)  藤田珈琲さんでは、おいしさを引き出すために焙烙焙煎を行っています。焙烙焙煎は、豆の細胞、繊維をつぶさず、素材の味を保つことができます。普通の製造より時間とコストがかかるのですが、低価格の豆でも良い珈琲ができるそうです。 そのために藤田社長は、自らの手で豆のサンプリング作業を続けておられます。「これは40年根性を入れてやってきたので、他の人には、まだまだ任せられない」と熱く語っておられました。 珈琲の知識を完璧に習得するには20年くらいかかるそうですが、藤田社長は「見るだけではなく、考え、考えたら実行するこれを繰り返し行うことが大切」ともおっしゃっていました。

インタビューを通して話してくださった社長のひと言ひと言から、お客様に本当においしい珈琲を飲んでもらいたいという信念で、長い間、努力を重ねてこられた藤田社長の熱き思いがひしひしと伝わってきました。

 今回、企業を訪問させていただいて新しい分野への視野が広がり、かつ貴重なお話を伺うことができました。今後、私たちは、藤田珈琲さんからいただいたたくさんの教えを、将来の職業生活に役立てていきたいと思います。

藤田珈琲株式会社の皆様、また、企業訪問で会社のトップの方とお話ができる機会を与えていただきました奈良県中小企業支援センター様、本当にありがとうございました。
「珈琲を愛して40年、藤田社長の思い」 藤田珈琲(株)
 
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「真面目に未知なるものへの挑戦」 ダイシン化工(株)
大阪産業大学 経営学科(4回生)

奥村 祐哉

  満田 良祐
 私たちが訪問させていただいたダイシン化工株式会社様は、昭和54年創業の昨年30年の節目を迎えられた食品容器やパッケージを製造されている会社です。合成樹脂やプラスチック素材の商品を企画・提案していく、やりがいと苦労をお聞きしたいとの思いで訪問をお願いしました。

インタビューを受けていただいた金杉役員は、縁があってか私たちの大学の先輩とのことで、緊張感もときほぐれお兄さんのように親しみやすくお話をしていただくことができました。

 ダイシン化工さんは、食品容器をはじめ電化製品、日用品、医薬部外品など多岐の分野にわたる商品パッケージを作られていますが、私たちが普段何気なく触ったり使っているものばかりで、その数は計り知れず、24時間体制で製造されています。営業面は、2つのスタイルがあり、1つは受注営業、2つ目は提案営業です。これは「常識を非常識」「非常識を常識」として考え、今までにないより価値の高い商品をお客様にプロデュースする仕事です。 「真面目に未知なるものへの挑戦」 ダイシン化工(株)

「真面目に未知なるものへの挑戦」 ダイシン化工(株)  「地球上のすべてのモノを包み込む」を長期目標に掲げられ、携帯電話にも使用されているICチップのような精密なモノでも包めるよう日々研究・開発に取り組んでおられます。

また、すでに中国に進出されていますが、海外進出でも企業ビジョンの目標達成に挑戦されています。一方、国内では新たに第2工場を建設し、これまで仕入れに頼っていた原材料を自社生産することで、品質の向上にも努められています。つまり、企画から生産に至る一貫システムでより良い商品の開発に、たゆみない挑戦がしつづけられています。

 職場や社員のみなさんの雰囲気をお伺いしますと、全社員が一丸となって取り組んでいくチーワークの良い会社ですが、とにかく真面目とのことでした。

これから入社される方に求めることは3つ、それは、「心身ともに明るい」「夢や目標を持っている」「豊かな人間性」とのことでした。ダイシン化工さんでは、仕事に関する成長だけでなく、仕事を通じて人間形成にも力を入れておられます。採用の際には、できるだけ人間力のある人をと考えられているようです。
「真面目に未知なるものへの挑戦」 ダイシン化工(株)

 さすがに、理想の上司NO.1に選ばれそうな人間力ある金杉役員のお話は、とても迫力があり圧倒されっぱなしでしたが、今、ダイシン化工さんはすごく勢いのある会社であることを、しっかりと肌で感じとることができました。
 
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「グローバル化にむけた人づくり」 (株)電研端子製作所
立命館大学 経営学部 経営学科(1回生) 園田  碧
  情報理工学部 情報理工学科(1回生) 松本  崚
 私たちが訪問させていただいた㈱電研端子製作所さんは、電子部品用リードピンの製造や線材・薄板材の極微細加工、金型設計施工を行っておられる会社です。電子部品は現代の日常生活のあちこちに使用されています。まさに社会の基盤を作る会社なのです。

今回の訪問では、増田修司社長自ら、私たちが事前にお願いした質問を、一つひとつ丁寧に 回答していただきました。他ではこのようなことは滅多にないとのことなので、そのお心配りが大変うれしかったです。現在、電子部品等の仕事は、中国にその市場の大半を奪われており、そのようななかどう生き残るかということを熱く語っていただきました。

 増田社長は、電研端子製作所の強みは、血縁でつながらない株主を自社で持っていること。と強く話されました。今、日本の中小企業は、ほとんど同族経営であるなか、電研さんは、他人が経営を引き継いでいるとのことです。つまり、次期代表取締役を、現、代表取締役の血縁から選ぶのではなく、社内で最も優秀な人材を立てることによって、より優秀な、より若い力が社内を動かすことになります。また、株式の大半を自社で保有することによって、社員が株主のために働くのではなく、自社のために、すなわち自分自身のために働くことになりモチベーションの向上につながるそうです。そして社員のモチベーションの向上は、会社全体の向上につながると話されました。 「グローバル化にむけた人づくり」 (株)電研端子製作所

「グローバル化にむけた人づくり」 (株)電研端子製作所  また、求める人材像をお聞きすると、ご本人自身も日々努力されているとのことですが、それは私たち学生に必要なのは、「常に感性を磨く」ということでした。情報社会のなか、多くの情報からいかに必要かつ有用な情報を読み取れるか、そしてそれを選択する能力が非常に重要であり、最終的にその選択をするには、感性が必要だと力説されました。

そして、私たちが最も驚いたのが、海外への視野が非常に広いことです。現在タイに工場を持つ電研端子製作所さんですが、社員をタイ以外に様々な国へ派遣して研修させているとのことでした。増田社長ご自身はもとより、一緒にインタビューを受けていただいた総務の豊田監査役や岡崎工場長も、海外経験が非常に豊富です。このように実際に海外研修を行うことで、まさに必要とされる感性、特にグローバル社会のなかでの感性を磨くことに努力されています。

 今後の発展に向けては、ベトナムに工場を持つことや、新技術を開発していくことを目標に掲げておられました。そして、何より社員が働きやすい会社にすることが、企業の成長につながり、それが企業の半永久的な存続につながるのだと、話してくださいました。

お話をお伺いしながら、電研端子製作所さんの最大の魅力は、何と言ってもすべてに余裕が感じられ、優しさに満ちあふれていたことです。増田社長はじめお会いした皆さんが、未熟な私たちに丁寧に応対していただきました。残念ながら、今は求人がありませんが、ぜひこのような会社で働きたいと思いました。
「グローバル化にむけた人づくり」 (株)電研端子製作所

「グローバル化にむけた人づくり」 (株)電研端子製作所  貴重なお時間を割いてくださったうえ、昼食懇談や社長直々の運転で送っていただいたことなど、感謝の言葉をいくら申しあげても足りないほどお世話をおかけいたしました。本当にありがとうございました。
 
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「創意工夫を繰り返す墨業」 (株)墨運堂
奈良大学 文学部史学科(3回生) 今橋 智樹
  金  達也
 近鉄西ノ京駅を下車してすぐにある株式会社墨運堂様を訪問させていただきました。

墨運堂さんは、奈良の伝統産業として名高い墨を中心とした書画用具の製造販売をされている会社です。お隣には、優れた技を持つ工芸職人が集い、伝統文化を守り育てさらに盛んにするための大和の匠:がんこ一徹長屋があります。

今回、訪問を希望したのも、日本の伝統である墨というものをぜひ体感してみたいとの思いからです。松井専務様と植野総務部長様のお二人から、想像していたとおり深いお話を伺うことができました。

 墨運堂さんの創業期として最も古い記録は、1805年に奈良で商いを始められたことについての記述があり、当初は他の職と並行して経営をしていました。以来、時代の移り変わりによって未伝の事柄が生じたり、戦争中の営業停止・GHQの時代の墨業衰退といった苦労を背負ってきた企業です。昭和30年代後半から盛んになるも、37~38社あった墨業の会社は現在10社足らずで、今後の社の発展には非常に懸命になって挑戦されています。 「創意工夫を繰り返す墨業」 (株)墨運堂

「創意工夫を繰り返す墨業」 (株)墨運堂  会社としての心意気は「製品皆平等」であり、需要の大小に関係なくつくったもの全てを可能な限り守っていこうと努力されています。製品の新開発なども一生懸命に取り組まれ、より良い改良を行うために人との出会い(第3者の意見)と謙虚さを重要視した考え方をされています。

メインとなる墨自体は伝統的なものであり、伝統は時代に合ったものが残るので、「必要を得る企業」も大義名分の1つです。墨は材料なので、地場産業として時代にマッチさせます。原料の墨用ニカワをつくる所が県内でなくなってしまい廃業の危機になったりもしましたが、積極的な産業活動で乗りきってこられています。

 製品については、3000アイテムのうち売れ筋の1割で利益の8割が保証されます。近年は、障害があって筆を持てない人や、新しい使い方を道具から見出したいというニーズに応える商品の製作に力が入っています。

その代表ともいえる新商品が「ゆび筆」です。これは指に筆をはめ、紙に直接指で描く感覚が味わえる品で、あらゆる指の太さと使う人の目線に立った工夫がなされています。変則的なものでなく、万人に扱えるものを作ろうとし、大抵のものはある、というモットーでプロジェクトを進められています。なければ作るというのが墨運堂さんの永久計画です。
「創意工夫を繰り返す墨業」 (株)墨運堂

 社員の育成は、途中であきらめたり投げ出したりしないこと、若いうちに基礎を反復させること、特にコスト意識をもつように導いているそうです。

墨運堂さんでは、何かを見つける好奇心や創造力をもち、努力をする根性のある人を求めています。そして私たち学生にアドバイスすることとしては、とにかく目的をもって将来どんな仕事をしたいのかをはっきりとさせること、そして、そのためのスキルをつくり伸ばしてこそ、希望する仕事にも自信をもって取り組めるようになるとのことでした。

お話のあと、墨工場の見学や墨の資料館にもご案内いただきましたが、歴史と伝統芸を直接見聞きすることができ、より感動を覚えました。知りたかった日本の墨業に、また魅力と深みを増しての充実した企業訪問にすることができました。
 
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「世界で一つを目指す」 テクノス(株)
龍谷大学 社会学科(2回生) 竹村 千尋
国際文化学科(1回生) 井上 育文
 今回企業訪問として、技術開発をされているテクノス株式会社様に行かせていただきました。

はじめテクノス様の紹介文を拝見した時は、普段自分たちがいる環境からは全く想像できない未知の世界であり少々無理かなと思いました。しかし、だからこそ、なかなかないこの機会に自分たちの視野を広げてみようと勇気をもって訪問を希望しました。

でも、訪問が終わり振り返ってみると、八重津社長様と木地総務グループリーダー様が、豊富な内容をとても分かりやすくお話くださり、はじめに考えていた数倍にも上る素晴らしい貴重な体験をさせていただくことになりました。

 お話のなかで、特に私たちが印象に残ったのは、テクノスさんが掲げておられる経営理念についてです。「豊かな心と豊かな創造」というスローガンを掲げられ、その経営理念をもう少し具体化した経営ポリシーが5項目定まっています。

そのなかに『キラリと光る世界一の独創的なメーカーを目指します』というのがあり、世界一となるといくつもの大規模な企業と競争していかねばならないし、難しい話だと私たちは思いました。しかしそうではありませんでした。テクノスさんは、世界で他にないたった一つの商品を作り、それを役立ててもらうことで世界一を目指そうとされているのです。社長はナンバーワンよりもオンリーワンを目指しているとおっしゃっていました。
「世界で一つを目指す」 テクノス(株)

「世界で一つを目指す」 テクノス(株)  そして、こうも話されました。「誰にも負けない強みを持ち、そのためには努力を惜しんではいけない」と。他の人と同じことなら誰にでもできますが、そうではなく自分だけの強みを持つことの大切さをこの言葉から感じ取ることができました。それは、今の就職氷河期と言われ不景気の時代を生き残っていく一つの術として、私たちの心に強く響きました。

時代のキーワードをつかむことの大切さについてもお話をしてくださいました。時代はどんどん進化を遂げています。だからこそ、3年から5年で新たに商品を開発していかなければ、時代の波に乗っていくのは厳しいようです。もちろん何でも良いというわけではありません。いかにお客様に満足していただけるか、いかに機能・デザインに工夫をこらしているかなどを、常に考えていかなければならないそうです。

 その時に厄介になってくるのが思い込みだそうです。自分たちの概念にとらわれるのではなく、客観的に物事をとらえることが大切だそうです。これを聞いて非常に深い話だと思いました。

社長は、企業経営のことについてだけでなく、私たちが大学生活を送る上でのアドバイスも下さいました。「自分をしっかりと知り、自分のブランドをもてるように自分を磨いていってください」という素敵なメッセージを贈って下さいました。
「世界で一つを目指す」 テクノス(株)

 私たちは、この言葉を胸にしっかりと刻みこんで、これからの学生生活はもとより人生を歩んで行こうと強く思いました。そして、テクノスさんに訪問させていただいたおかげで、今後の大学生活が素敵に変わりそうな予感がして、ワクワクしています。

本当に貴重なお話をありがとうございました。
 
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「業界トップクラスの技術を支えているもの」 小島金属工業(株)
近畿大学 農学部 農業生産科学科(3回生) 片上 直紀
  田中 修平
 今回、私たちは、小島金属工業株式会社を訪問させていただき、齋藤 玄常務取締役にお話を伺いました。初めは緊張していたのですが、とても話しやすく優しい方でしたので、スムーズにインタビューをさせていただけました。

また、お話以外にも、念願の「自動ロボットシステムライン」を見学させていただくことができました。業界トップクラスのプレス技術を目の前で見ることができ、その迫力に圧倒されながらもすごく印象に残っています。

 私たちは、このインタビューでものづくりに対する姿勢や、人間的な部分まで勉強させられることがたくさんありました。

ここで生産されるものは、車の部品になるものもあり、人の命にも関わってきますので、一つひとつを正確に造ることがとても重要になってきます。正しいものを確実に造る正確性が必要ですから、担当するには、純粋さや素直さが大切とのことでした。

「業界トップクラスの技術を支えているもの」 小島金属工業(株)

「業界トップクラスの技術を支えているもの」 小島金属工業(株)  それは挨拶であったり礼儀であったり、当たり前のことが当たり前にできないといけないのです。小島金属さんでは実践されているようで、訪問の際にも、社内の通路で従業員の方とすれ違うと、どなたも丁寧な挨拶をしていただきました。

このことは、車の部品づくりなどに携わっているからということだけでなく、社会に出ていく私たちにも言えることだと思います。教えていただいた当たり前のことというのは、信頼や人間関係を築くうえで一番大切なことではないかと思ったからです。

 私たちは、小島金属さんの他分野への事業拡大について、そのお考えを伺いました。答えは「一生一芸」だということでした。「ものを造っていて、これで終わりと納得することなどあり得ない。さらにより良いものを造ろうとするものだ。また、他の分野に事業拡大しなくとも、海外にも工場を持つなど、世界に目を向けてまだまだたくさんすることがある」とのお話でした。そして、これからは、日本国内に留まるのではなく、今成長過程にあるアジアの波に乗っていくことが急務であるとのことでした。

小島金属さんは、やはり、得意分野に集中して取り組んでおられるからこそ、業界トップクラスのプレス技術があるのではないかと思います。
「業界トップクラスの技術を支えているもの」 小島金属工業(株)

 齋藤常務さんは、私たちが質問した以外にも、たくさんのことを教えてくださいました。そのなかで特に印象に残ったのが、「感謝の気持ちを忘れない」という言葉です。人は多くの皆さんに支えられて生きているもので、親はもちろんのこと、同僚や上司、取引相手など、また、その中で、気が合わない人であっても感謝の気持ちを持つことが必要であるということです。そういう気持ちでいると、顔の表情や行動にも表れ、相手も自然と対応が柔軟になるので人間関係も上手く行きやすいというのです。

さらに、学生時代は、好奇心をもって幅広いことにチャレンジすること。社会に出てからの様々な環境にも対応できるように、多くの経験をして対応力を養っておくと良いなど、これからの人生における貴重なアドバイスもいただきました。齋藤常務さんから豊富なお話と、社内で有意義な体験をさせていただいたことに大変感謝しています。
 
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「基本にそった豊かな企業経営」 第一化工(株)
大阪樟蔭女子大学 人間科学部 児童学科(3回生) 中村 遙香
  益永 由貴
 ブラスチック容器の総合メーカーとして、優れた技術力をもつ第一化工株式会社様を訪問させていただきました。私たちは、日ごろ家でよく使っているプラスチック容器が、どのように開発され作られているのかが知りたくて訪問に臨みました。話題の「アメデス-Q」などでとてもご多忙のなか、三木茂生社長と総務部の大塚課長がインタビューに答えてくださいました。

 第一化工さんは、プラスチック容器事業を中心に、その他住宅用パネルの製造、環境対応商品の開発、製造販売を行っておられます。プラスチック容器は、いろいろな工程があり、それぞれ技術が異なっていますが、ブロー成形(シャンプー、リンス、家庭用洗剤などのボトルの製造)やインジェクション成形(主に、食品用キャップを製造)、ボトル加飾(シャンプー、リンスなどのボトルへの印刷・仕上げ加工)の3つの工程をすべて自社で行われています。一貫生産ができるのは、中小企業ではめずらしく、これが第一化工の強みであると、力強くおっしゃいました。 「基本にそった豊かな企業経営」 第一化工(株)

「基本にそった豊かな企業経営」 第一化工(株)  第一化工さんの自社ブランドである「アメデス-Q」は、雨の日、ぬれた傘をアメデス-Qに差し込むことによって、雨滴が吸水されます。非常に吸水性や排水性の優れたハイテク素材の特殊吸水フイルターが使用されており、約20万回も効果が持続する商品とのことです。この商品を作るうえで、一番ご苦労されたのは、「初めて手がけた自社商品でしたので、20万回の実証試験や認知度を向上させることが難しかったですね。」とその頃を思い出しながら語ってくださいました。

今は、奈良県内で、主に官公庁や大型ショッピングセンター、平城遷都1300年祭の会場などに設置されているそうです。使い捨てのビニール袋を使用しないことにより、CO2を削減し、地球環境を守ることができるので、今後は、もっと多くの施設や大学などに設置して広めていきたいとのことでした。ぜひ私たちの大学にも置いてほしいと思いました。

 このようなさまざまな商品を開発されている第一化工さんでは、品質を向上させ、一定の良品を作り続けるためにISO14001(環境)と9001(品質)を認証取得されています。「ISOは、定期的に審査があり、認証をいただくことは大変ですが、ものづくりをするうえで大変重要なことだと思っています。マニュアルを社員全員で作成し、常時修正をしながら仕事の基準にしています。」とその必要性を話してくださいました。

また、失敗の対処方法をお伺いしたところ、三木社長は、「経営者には、失敗をする前に道を変えるか、続けるかの判断が求められる」、また大塚課長は、「失敗しても改善し続けるものであり、失敗で終わることはできない」と答えていただきました。お二人のお話から、失敗を、逆に次に活かすという考え方は、企業を経営していくことはもとより、人生を歩んでいくためには、とても大事なことだと教えていただきました。
「基本にそった豊かな企業経営」 第一化工(株)

 当初、プラスチックの開発に関心があっての訪問でしたが、自然な形で基本にそった豊かな企業経営をされている第一化工さんの貴重なお話から、奈良県内企業の魅力や活躍ぶりがうかがい知れ、大変うれしい気持ちになりました。

このような良い機会をいただき誠にありがとうございました。
 
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「技術知力のグリーンカンパニー」 (株)飯塚製作所
帝塚山大学 経営情報学科(3回生) 木戸 竜
  大杖 真由
 「常に新しい着眼と創意をこらし、未知の技術開発に挑戦し続けています」そのようなメッセージを私たちに発信されている株式会社飯塚製作所様は、本社を大和高田市に構え、自動車用冷間圧造部品を生産されています。平成19年には「元気なモノづくり中小企業300社」(経済産業省)に選出され、革新的技術開発に挑戦し続けている会社です。

今回、私たちは、同社の針工場を訪問し、取締役社長の前田重雄様、針工場・総務グループ サブリーダーの堀上吉長様にお話を伺いました。

 

飯塚製作所さんは自動車用シートベルト部品やエアバック部品の生産をはじめ、今年からは直接海外への輸出をきっかけに、海外進出にも踏み切ろうとされています。現在、多くの製造業に打撃を与えている円高さえも、コア・コンピタンスによる、どこにもまねの出来ない商品の製造が可能なため、価格維持ができるそうです。

「技術知力のグリーンカンパニー」 (株)飯塚製作所

「技術知力のグリーンカンパニー」 (株)飯塚製作所  採用されている冷間圧造は、常温でプレスの回数を重ねて最終製品に仕上げていく加工方法です。材料の1つであるステンレスは温間圧造で通常は加工されますが、飯塚製作所さんでは敢えて冷間圧造で加工されています。素材その物が圧造加工に不向きなためプレス回数は多くなりますが、冷間圧造で加工する事によって誤差の少ない精密な製品に仕上げる事が出来るのです。この点で、特にご苦労された事をおたずねすると、「プロセス、作り方の設計に苦労しました。準備した金型で成形出来なければ、また新たに設計からやり直さなければならないのでコストと時間が余分にかかってしまうのです。」とおっしゃっていました。

その後、実際に製品を見せていただいたのですが、その製品一つひとつ手にとって、丁寧に、かつうれしそうに説明される前田社長を拝見していますと、本当に生産している製品に対して自信と愛着をもっておられる事がよくわかりました。初めは緊張していた私たちも、お話を伺っているうちにいつしか緊張がほぐれお話に引き込まれていました。

 リポートをさせていただいた後は、前田社長直々のご説明で、1つの部品が完成するまでの工程や部品を加工する際に使用される金型、高価な製造機械等のある工場を見学させていただきました。

製造機械は鉄が鉄を加工するので、それにはしっかりした機械が必要となります。その機械などのコストが想像していたよりも多くかかっている事に私たちはとても驚きました。また、工場でのスタッフの皆さんのおもてなしやご配慮等が、とても自然で素晴らしく、社風の温かさとともに仕事や会社に対する誇りを持たれている様子が強く感じられました。
「技術知力のグリーンカンパニー」 (株)飯塚製作所

 私たちは飯塚製作所さんに訪問させていただいて、弛みない研究開発や携わる皆さんのチームワークが困難なモノづくりを可能にしていく事を知りました。そして、この体験はこれからの就職活動に必要な企業選択基準の大きなヒントにもなりました。

当日は大変お忙しい中、前田社長様、サブリーダーの堀上様をはじめ、社員の皆様方には大変お世話になりました。また、このような貴重な機会を与えて下さいました奈良県中小企業支援センターの皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました。
 
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「品質は、会社の品格」 ダイゴー(株)
大阪経済大学 経営学部 経営学科(3回生) 西川 章裕
  保呂 剛司
 私たちはダイゴー株式会社を訪問させていただきました。工場見学も、とのご配慮から、奈良の法隆寺工場を伺うことになりました。ちょうど大阪の本社から志方社長が来られており、時實工場長、加藤管理部長、植木課長の皆さんにインタビューさせていただくことになりました。

 ダイゴー株式会社さんは手帳にこだわる品質と、そこから得られる社会での信頼、そして生産から販売までを一貫して自社で行うという事業展開で、日本一のシェアを誇る手帳会社です。

創業1945年の歴史と伝統を持つ手帳を中心とした紙製品メーカーで、奈良に生産工場があるため、そこで自社ブランドの手帳を一貫生産することができます。それにより納期やコスト対応の強化が図れるのはもちろんですが、何よりも力を入れておられるのが、手帳の品質の確保と向上です。
「品質は、会社の品格」 ダイゴー(株)

「品質は、会社の品格」 ダイゴー(株)  手帳は最低でも一年使うものです。大切な思い出として保管することになると、その使用期間は何年にも何十年にもなり、その間手帳を開く回数は数え切れないほどになります。そのため手帳をつくるうえで一番大切なことは、頑丈につくることです。それは紙の一枚から、使用する糊、糸での繋ぎ方まで、様々なところにその思いを感じることができました。

丈夫に作るだけでなく、心を込めた製品を人々に届けるという思いも感じることができました。例えば、本や雑誌なら、途中で落丁乱丁が見つかっても、新しいものと換えれば済むかもしれませんが、手帳は単に新しいものに換えれば済むものではありません。

手帳自体は新しいものに変えることはできますが、それまで書き込んでこられた多くの思い出や記録はその人の宝であり、生き様ともいえる大切なものです。二つと換えることはできないものですから、絶対に正規品を届けるという気持ちは、何よりも強いように感じました。

 また、工場をご案内いただいた時實工場長からは、「紙は生きています。水分に弱いので、温度と湿度は、常に一定になるよう慎重に管理しています。また、機械で判別するところと、人の目で判別するところをきっちり分けて行っています。」と教えていただきました。

こういった細部にわたり目配り心配りされておられるところから、人々に認められる高品質の手帳が出来上がるのだと、感銘を受けました。

「品質は、会社の品格」 ダイゴー(株)

 近年、スマートフォンなどが登場し、手帳という存在が一見遠ざかっているイメージがありますが、今回の訪問で、そういったことはなく、人の話を聞いてすぐに書き込める手帳の便利さには敵わないということを知りました。世の中がいくら便利になっても、コミュニケーションや記憶整理の大事な手段として、人から字を書くことはなくならないものです。

だからといって、現状に留まるのではなく、今後の紙製品の世界はどのように変化していき、どのように対応していけばいいのかということを常に自問自答され、既存事業を堅持すると同時に、新しい事業領域の創造にチャレンジし続けられている素晴らしい会社であることを実感しました。
 
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「努力を感動へと変える」 豊国ヌードル(株)
奈良女子大学 国際社会文化学科(4回生) 橋爪 麻衣子
  福田 佳緒理
 豊国ヌードル株式会社の阿部博英会長にお話を聞かせていただきました。その中で、一番印象に残ったのが商品開発のお話です。

豊国ヌードルさんの商品開発には三つの特徴があります。一つ目が、食べたときに感動を与える商品の開発。二つ目が、依頼された相手先の好みに合う商品の開発。食の難しさは好みの違いによるものだというお考えからです。そして三つ目が、豊国ヌードルらしい商品の開発です。この三つの特徴を兼ね備えた、他社では作れないonly1の商品を開発されています。

 生パスタは10年前から研究・開発を始められ、乾麺に合わせて作られたレトルトのソースとはまた違う、生パスタの風味を引き立たせるソースの開発にも取り組んでこられています。現在では、今までのパスタでは考えられなかった完全有機無農薬の商品も開発されています。また、パスタの本場イタリアへ社員を派遣するなど、イタリアの技術と日本人の好みに合った商品の開発をすすめておられます。そして、多くのレストランのシェフとの打ち合わせや注文によって、シェフの技術が年々蓄積され、それがまた新たな商品づくりへと繋がっています。 「努力を感動へと変える」 豊国ヌードル(株)

「努力を感動へと変える」 豊国ヌードル(株)  豊国ヌードルさんでは、強みである商品開発だけでなく、環境問題など社会貢献にも取り組んでおられました。ダンボール・紙はすべて再生、商品として出せない食品は飼料に再生、正規では販売できないが食品として問題ないものは直売や社内販売をするなど、廃棄物を極力少なくするよう努力がされていました。また、生産性をよくすることも、省エネの効果があるということでした。

また、会長の生き方に大変感銘を受けました。「人は人に生かされており、恩恵を受けている。だから自分も人の役に立つ人間にならなければならない。」というお言葉がとても心に残りました。社会に出てからが、本当に勉強する時であり、大学などの学校は、壁を打ち破り、災いに負けない心身ともに強い人間になるための訓練の場のひとつであるということでした。在学中にそのような習慣をつけ、卒業後はそれを活かしながら社会に貢献できるよう、さらなる努力をしていかなければならないということを学びました。

 社風は「みんなで勉強して、みんなで成長」を基本にされているとのことです。「みんな」というのは正社員だけでなくパート従業員の方も含まれます。そして、「みんなで」というのは上意下達の大企業ではあまり考えられない、一緒に働く者が常に意思疎通を図りながら、一丸となり頑張っていこうということです。このような理想の社風が、すばらしい商品を次々と生み出しているのだと感じました。 「努力を感動へと変える」 豊国ヌードル(株)
 
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「伝統とトレンドのコラボレーションスイーツ」 (株)植嶋
奈良佐保短期大学 生活未来科 ビジネスキャリアコース 食物栄養コース(2回生) 西村 友希
  奥田 有希
 私たちは、直営店として「奈良祥楽」を出されているお菓子の総合商社・株式会社植嶋さんを訪問しました。植嶋さんへの訪問を希望したのは、「お菓子を通して人に喜びと感動を与える」という経営理念が、私たちがこれから先、仕事を通して得たい「人を笑顔にする」ことと思いがぴったりだったからです。

慣れない企業訪問で、緊張する私たち二人を、植嶋修治社長と植嶋葉子専務が、終始やさしい笑顔でインタビューに答えていただきました。

 お菓子というのは、あれば団欒のきっかけになり、生活が豊かになるものです。植嶋さんでは、そんな生活の中に自然に溶けこんでいけるお菓子を理想の形とし、作っておられます。

元々は、卸売り業をされていた植嶋さんでしたが、直営店である『奈良祥楽』を作る際、自らもお菓子を製造することに取り組まれました。

現在、作られているお菓子は300~400アイテムあり、その中でも人気があるのは、みたらし団子。タレに使用されているのは、奈良・吉野で作られた梅谷醸造の醤油で、少し辛めでまろやかな味です。数々の奈良の特産品を使用されている植嶋さんですが、今後は大和芋や大豆を使ったお菓子を検討中とのことで、ますます充実した商品展開が期待出来ます。
「伝統とトレンドのコラボレーションスイーツ」 (株)植嶋
 売る事は得意でしたが、製造をすることになればとてもご苦労があったそうです。

例えば、「オリーブあられ」という商品を作る時、オリーブオイルを使用する際に、劣化により風味が微妙に変化するなど、実際に作ってみないとわからないことがたくさんあり、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、ようやく1つのお菓子が完成するとのことでした。

「伝統とトレンドのコラボレーションスイーツ」 (株)植嶋

 現在、社員の方の比率は、男性が49%、女性が47%とほぼ半分。パートさんを含め、会社全体では7割の方が女性です。このため福利厚生面では、特に社員が仕事をしながら、育児や介護の両立がしやすい環境を作られています。

具体的には、産休中にはパソコンでやり取りを行う在宅勤務の制度があり、男性・女性ともに、育児休暇を取れるようになっています。また、復帰後も通常8時半~17時半の勤務時間が9時~16時のシフトに変わるなど、随分女性が働きやすい制度になっています。やはり育児に携わる機会が多い女性にとって、植嶋さんが取り組んでおられる制度はとても魅力的です。

また、社員にイキイキと働きやすい職場づくりをするために、自分たちの会社をこれからどうしたいのかを、全員から提案してもらい、「植嶋魂」として15項目にまとめられたそうです。以降「植嶋魂」は朝礼で復唱をし、社員の意志結集、団結を図っておられます。

 加えて残業をなくすために、19時45分になると社内に音楽がなり、20時には完全消灯になるなどの工夫をされたそうです。その結果、業務改善にも繋がり、社員の自立にもなっているとのことでした。こうした書ききれないほどのたくさんの取り組みが、元気な株式会社植嶋さんを創っているのだと痛感しました。

 植嶋さんが、これからの経営にかける思い、それは、現代のトレンドスイーツを取り入れつつ、昔ながらのお菓子の伝統を末永く伝えていきたいと、夢の実現への豊富を語っておられました。

そして、私たちには、社会人になる前に大切なこととして、「これだけは、負けないというものをたくさん持つこと!」とアドバイスいただきました。
「伝統とトレンドのコラボレーションスイーツ」 (株)植嶋

  このようにたくさんのことを教えていただき、植嶋さんに企業インタビューという貴重な体験が出来たことを本当に光栄に思います。

植嶋さんのお菓子にかける情熱やひたむきさに学び、お話を伺ったことを人生の糧にして、社会人としての一歩を力強く踏み出したいと思います。
 
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「命をあずかるプロの仕事」 クオリカプス(株)
大阪商業大学 経済学部 経済学科(2回生) 市原 岬
  藤本 大貴
 今回、私たちはクオリカプス株式会社様を訪問しました。前々から医薬品の製造販売のノウハウについて知りたいと考えていましたので、実現して大変喜んでいます。インタビューでは、総務人事部の民西次長、主島さんから多くの貴重なお話を伺うことができました。

 クオリカプス株式会社では、ハードゼラチンカプセル及びHPMCカプセルの製造販売と、カプセル充填機、シール機および製剤関連機器の製造販売を行っています。売上は70億円程度であり、カプセルと機械の比率は55%、45%になっているとのことです。また、医薬用カプセルでは、国内では50%を超えるシェアを誇っています。

製剤関連機器に関しては、ほとんどが取引会社のニーズに合わせるカスタムメイドが多いです。 カプセルの専門家が作るカプセル充填機には、高品質とサービスの徹底がなされています。
「命をあずかるプロの仕事」 クオリカプス(株)

「命をあずかるプロの仕事」 クオリカプス(株)  今後は更なる海外への進出を目指されており、現在、クオリカプス株式会社のようにグローバル展開をされているのは、ハードカプセル製造会社では2社だけとのことです。

また、会社を経営していくには様々なコストがかかります。河村隆幸社長は、リストラをしないことを公言されており、労務費のコストは原価低減などのコストダウンで対応し、万が一の場合にも、全員で痛みを分かち合うことを基本に努力されています。

コンプライアンスについても大変重視されています。たとえば主要の製薬会社さんを行き来するうえで、重要な内部情報を知ることも出てきますが、その情報が漏えいすればクオリカプスの信用が揺るぎますので、絶対に漏えいさせることがないよう、機会あるごとに全従業員へコンプライアンス遵守の徹底が行われています。

 そして、また、医薬品は景気や流行にはあまり左右されませんが、逆に商品を絶やすことができない重要な使命があります。そうした事業使命から、社員のみなさんは、「命をあずかるプロの仕事」をしていることの責任とプライドを持って、日々取り組んでおられます。

さらに、お二人に、私たちのような現在の若者には何が一番必要なのかアドバイスをお尋ねしたところ、「まず、自分の意見・考え方をしっかりと持って、自分が何をしたいのかを深く考えてほしい」というお言葉をいただきました。これは私たちの心に突き刺さるものがあり、自分自身の意識や行動を、もう一度よく見直すよい機会となりました。
「命をあずかるプロの仕事」 クオリカプス(株)

 最後に、今回このような場を設けてくださった、クオリカプス株式会社様、奈良県中小企業支援センターさんに深く感謝しております。ありがとうございました。
 
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「もてなす心を大切に」 大徳食品(株)
同志社女子大学 日本語日本文学科(3回生) 森 普子
  森岡 はるか
 私たちは大徳食品(株)さんに訪問させていただきました。公害を出さない工場づくりや福祉施設への長年にわたる麺の提供など、環境と人に配慮される企業理念に関心をもったためで、ぜひ今回リポートしたいとお願いしました。会社に入るなり、社員の皆様がにこやかな笑顔で迎えてくださるなか、総務部の岩渕力三部長がインタビューに答えてくださいました。

 大徳食品さんはスーパーで見かける袋に入ったゆで麺のイメージが強いのですが、最近はコンビニでも買える、パックに入った少し手を加えるだけでおいしく食べられる調理麺の製造もされています。まさに、主婦代行業として「手軽にすぐ、美味しく食べられる」という時代のニーズに応えた製品にも、力を入れておられます。

また、近年話題となっているカロリーオフにも注目され、うどんでは難しいカロリーオフを実現した従来のうどん商品よりも30%カロリーをカットした新商品「うどん生活」や、材料から“最高級”にこだわった「スーパーウドン」など新しい次世代のうどんも作っておられます。
「もてなす心を大切に」 大徳食品(株)

「もてなす心を大切に」 大徳食品(株)  一方「地域に育まれた企業である」という思いから、老人施設に麺を提供したり、奈良県や大和郡山市と緊急時の食品提供協定を結ぶなど社会貢献にも取り組んでおられます。さらには、“地産地消”を意識した奈良県産の小麦「きぬいろは」を使用した「奈良うどん」をつくり、それによって地域産業を盛り上げようといったこともされています。昨年は、斑鳩町・中宮寺と連携し、国産そば粉を使用した「中宮寺門前そば」を開発し、着実に販路を拡大しています。

それだけでなく、私たちが理想とする環境に配慮した公害を出さない工場づくりも、予想通り徹底して行われていました。

 将来の事業ビジョンは、子供の食への関心を高める食育の対応や、子供やお年寄りが食べやすい麺類の開発、ローカロリーや減塩といった高齢化社会に対応した商品開発、地産地消商品のさらなる開発など、日本の将来を見据えた大きなビジョンを多く持っておられました。

最後に大徳食品さんが求められる人材についてお聞きすると、ホスピタリティ(=もてなす心)を持った人材だとおっしゃいました。先を読み、何をすべきか考え行動することがホスピタリティであり、それは人とのつき合いでも、仕事をするにもすべての原点であると教えてくださいました。

また、これから社会に出ていく学生の私たちに「今のうちに勉学に励み、知識をつけることが大事。それが将来の知恵となり、必ず何かの時に役に立つ。」とアドバイスしてくださいました。
「もてなす心を大切に」 大徳食品(株)

訪問したのが、お盆の時期でお忙しいなかでしたが、岩渕部長は慣れないリポートがスムーズにいくよう随分心配りをしてくださいました。そして、社内は清掃が隅々まで行き届いており、大徳食品さんは、ホスピタリティにあふれた素晴らしい会社でした。
 
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「時代のニーズに合わせながら守る伝統の味」 (株)三輪そうめん山本
武庫川女子大学 文学部 英語文化学科(3回生) 今村 綾華
  生活環境学部 情報メディア学科(3回生) 藤原 雅
 私たちは(株)三輪そうめん山本さんを訪問させていただきました。桜井市に立地している本社は、緑が豊かに生い茂りとても気持ちの良い敷地内に、高級感あふれる建物が印象的でした。

今回は、山本太治社長、総務部の村越課長、企画広報室吉本係長にお話をお伺いしました。

 (株)三輪そうめん山本さんは、代々手延べの伝統と技術を受け継ぎ、2010年のモンドセレクションでは看板商品の「白龍」と「白髪」が最高金賞を受賞という、古い伝統と新しい技術が共存している会社です。現在は、贈答用商品を購入されるお客様が全体の顧客層の大部分を占めているそうです。しかし、コンビニエンスストアーやスーパーマーケットのような、新しい、「商品の流通の場」の登場により、顧客層は変化してきています。そんな、時代や環境に伴う顧客層の変化にも柔軟に対応していけるよう、新商品の開発は絶えず行われています。修学旅行生に大人気のハート型に結んだ「恋そうめん」や、一流料理店と作り上げたトマトソースのかかったそうめん「ル・ベンケイ」といった、型にとらわれないアイディアで、商品は変化し、「その時代に一番良いものを」作りながら、顧客層の拡大を目指されています。 「時代のニーズに合わせながら守る伝統の味」 (株)三輪そうめん山本

「時代のニーズに合わせながら守る伝統の味」 (株)三輪そうめん山本  また、(株)三輪そうめん山本さんの強みは「ブランド力」と、力強くお答えいただきました。長年、安全で品質の良い商品が製造されているからこそ、ブランド力を保ち続けられているのだと思います。また、サービス業としての一面を持っておられ、売店では、そうめんを購入する人がわかりやすいよう、見本用のそうめんと贈答品のそうめんのパッケージには違いをもたせたり、レイアウトにも随分工夫がされています。それだけではなく、製造にかかわっている人も売店に立ちお客様の声と直に触れあうことで、商品を作る際の現実味を倍増させることができるとおっしゃっています。そのことを聞いて私たちは、そうめんを贈る人、食べる人のことを第一に考え、お互いが満足できる贈り物を目指されていることを素晴しく思いました。

 そして、さらに教えていただいたのは、(株)三輪そうめん山本さんが求める人材は、字がきれいで、敬語を正しく使えるような常識力を持ち、相手の気持ちがわかるような人である、ということでした。特別なことではなく、社会人として身につけたいことなので、私たち学生も近づけることができるよう努力したいと思いました。

今回のインタビューで、昔の良い伝統は守りつつ時代に合ったものを提供することを、そうめんという完成しきった製品にしていかねばならないという難しさがありながら、それを実現し、守りぬいておられるところから、(株)三輪そうめん山本さんには、「老舗」という言葉がぴったりだと思いました。インタビュー中、終始、山本社長の知識の深さや情熱を感じ、たいへん勉強になりました。訪問させていただけたことを嬉しく思います。
「時代のニーズに合わせながら守る伝統の味」 (株)三輪そうめん山本
 
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「70%のシュアを誇る、水野ストレーナーさんを訪れて」 水野ストレーナー工業(株)
大阪電気通信大学 医療福祉学部 健康スポーツ学科(3回生) 岸田 裕大
 私は8月4日、水野ストレーナー工業株式会社さんを訪問しました。

ストレーナーとは、液体と固体の混合物を分離させるろ過装置のことで水野ストレーナー工業株式会社は主に船舶用のストレーナーの専用メーカーです。
簡単に船舶用のストレーナーといっても、エンジンオイルに用たり、海水に用いる場面もあるので様々な形があります。また口径も数センチの物から1メートル近い大口径のもの迄いろいろな種類があります。いずれも船舶の安全な航行に欠かすことのできない重要な役割を果たしており、高耐久性が要求されます。
同社は、国内造船業界でなんと70%のシュアを誇っています。

 話をお伺いした総務部長の水野宣明さんは「このような所に自信をもっており、働きがい、生きがいを感じている」と話されていました。
しかし、今ではそれだけ支持されていますが、オイルショックの時代は本当に大変だったようで、「仕事が全くなかった」という厳しいお話も伺いました。それでも一人もリストラせず、全員営業、全員製造と一致団結し乗り越えてこられたとのことです。このようなご苦労をされてきた実績から、2006年春に女性社長の水野芳子さんが黄綬褒章を受章され、2008年には、「経済産業省元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれました。
「70%のシュアを誇る、水野ストレーナーさんを訪れて」 水野ストレーナー工業(株)

「70%のシュアを誇る、水野ストレーナーさんを訪れて」 水野ストレーナー工業(株)  なぜそれだけの評価を得られたのかと聞くと、「50年という長年にわたって、舶用ストレーナーの専門メーカーとして造船業界に寄与してきたからではないでしょうか」とおっしゃっていました。そして会社概要だけではなく現場の雰囲気がわかるようにと工場も見せてもらうことができ、そこには大型の機械がたくさんありました。

しかし、どれだけ機械が充実し揃っていても、人間にしか出来ないというところがあります。そこで活躍するのは、巧みといわれる職人さん達です。中には水野ストレーナー工業株式会社が創立した時から50年以上も活躍されている方もおられ、その人でなければ不可能な技術があって貴重な存在とのことです。

 そして、工場の中はとても活気があり、年齢を問わず仲が良い感じを受けました。なぜなら、部長さんと製造課長さんに工場を案内していただいたのですが、働いておられる人たちに仲良さそうに話しかけられる姿を見ることができたからです。

私は、水野ストレーナーさんに訪問させていただいて、ストレーナーを活き活きと作っておられる皆さんの姿を直接拝見して、モノ作りの大変さ、また、モノ作りの楽しさということが、少し理解することが出来、とても良かったと思います。

当日は、お忙しいなか、ご親切にご対応いただいた水野部長はじめ鈴木課長、工場で働いておられた皆さん、お世話になりありがとうございました。
「70%のシュアを誇る、水野ストレーナーさんを訪れて」 水野ストレーナー工業(株)
 
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「地球環境問題に積極的に取り組む大同化学」 大同化学工業(株)
奈良佐保短期大学 生活未来学科(1回生) 山本 亜衣
  寺岡 沙織
「地球環境問題に積極的に取り組む大同化学」 大同化学工業(株)  私たちは大同化学工業に企業リポートに行きました。この企業は、地球温暖化を防ぐ低炭素社会の実現に向けて廃棄物を制御する「eco製品」の開発を通して、世界の鉄鋼、自動車、機械などの産業分野や地球環境に大きく貢献する研究・開発型企業を目指している企業です。

 所長の瀬本さんと管理課の幸長さんは、ものすごく気さくで、話しやすい方々でした。印象に残ったことは、私たちが話を聞かせていただいた応接室にたくさんの賞状が飾られていて、改めてすごい企業だと思いました。戦後、アメリカ製の油や機械を使い日本人が低賃金で働いていた状況を見て、このままではダメだと思い、日本で作った油や機械で世界一になるようにと、八幡製鉄所と手を組んだという話も印象に残っています。行く前まで、あまり馴染みがなくてわからない業種でしたが、私たち学生にもわかりやすいように作られたビデオを見せていただき、事業や企業のことがよく理解できました。

また、機械や薬品を多く使う企業なので、安全面と衛生面は特に厳しく指導されているそうです。操業してから大きな事故はなく、それでも年に一回程度に薬品が目に入ったり等はあるようです。目に薬品が入った時には、最低10分間目をキレイに洗浄するように徹底されており、対策も万全のようです。火災が一番怖いので、火はボイラーを使い、安全対策もバッチリ!
「地球環境問題に積極的に取り組む大同化学」 大同化学工業(株)

「地球環境問題に積極的に取り組む大同化学」 大同化学工業(株)  この企業で取り扱っている製品の一部を紹介していただきました。圧延油剤というのは、圧力をかけて板を延ばすための油です。塑性加工油剤というのは、材料をプレスして焼きつかないように加工して変形させるための油です。金属加工油剤というのは、鉄を固める際に間に油を入れて固めるとキレイになる油で、主に車に使われています。他の企業に負けないために、今後力をいれていくところは何かと伺ったところ、圧延油剤を最初に開発されたのが瀬本所長さんで「この経験を生かして、さらに研究を頑張りたい。挑戦は永遠に続きます」と大変力強い言葉をいただきました。

また、この仕事にやりがいを感じるときを尋ねると、研究中に新しい発見があった時や、お客さまから高い評価を受けたときだそうです。また、仕事で嫌なことがあったりしたときも、社内のみなさんで、飲み会に行って、ストレスを解消して、次の日は元気に出勤されるそうです。

 私たちはこの企業リポートに行って、仕事の厳しさや難しさを知りましたが、その分やりがいがある仕事になることを教えていただきました。この経験を今後の学生生活や将来の職業生活に役立てていきたいと思います。

たくさんのことを教えていただいた大同化学工業の皆さま、企業訪問をして会社のトップの方とお話ができる機会を与えていただきました奈良県中小企業支援センターの皆さま、本当にありがとうございました。
「地球環境問題に積極的に取り組む大同化学」 大同化学工業(株)

お問い合わせ

  • (財)奈良県中小企業支援センター 事業化推進課
    TEL:0742-36-8312 FAX:0742-36-4010