~清酒発祥の地、奈良にクラフトビールで新風を~
全国のビール通が土日に集う地ビール醸造所
【支援に至る経緯】
「奈良醸造株式会社」の代表取締役兼醸造責任者である浪岡安則様は、以外なことに「アルコール自体たくさん飲めない体質」だとか。
友人からの勧めで初めて飲んだクラフトビールの飲み易さ、酵母が瓶の中で生きていることの魅力、又奈良県にもかつて地元ビールがあったとの話に触発され、自ら奈良のクラフトビール工場を作ろうと一念発起。
京都のクラフトビール工場の製造アシスタントとして研さんする傍ら、工場立地や事業計画を練り続けられていました。
そんな折り、よろず支援拠点主催の創業セミナーに参加され、事業計画を持ち込まれたのが、私たちとの出会いでした。
【課題の整理と分析】
醸造所開設には、初期に多額の設備投資が必要。
その為には、複数ルートでの融資など多面的な資金調達が必要であり、同時に、資金回収を含む売上/収支計画、販路開拓などの検討が不可欠。
融資を受けるにも、創業への強い想いと、事業成立を客観的に表した「事業計画書」としてのまとめが必要でした。
【支援内容】提案とアドバイス
数回のご相談の中でブラッシュアップされた事業計画書を基に、コーディネーターから融資元や連携先(政策金融公庫、奈良県の制度融資など)や、補助金などの支援制度を紹介し、活用を提案した。
融資元・連携先とよろず支援拠点との合同相談会に参加される中、一つ一つ丁寧に進められる様アドバイスをした。
また、販路開拓や商品ラインアップの充実をはかる目的で、創業補助金やものづくり補助金に対しても、よろず支援拠点の特定創業支援事業等としての支援やアドバイスも活かし、積極的にチャレンジされた。
【支援の成果】
前述の公庫融資、県の制度融資への申請も全て無事採択された上に、2017年度「創業支援補助金」に採択された。また更に、「ビジコン奈良2017」に見事入賞されるなど、必要な資金を100%調達された。
2018年5月末に、念願の工場が完成。同年6月に醸造を開始。7月末には全国のレストラン、ビアバーへ出荷を開始し、初めての商品を世に出すことで、「やさしい奈良の味わい」を持つクラフトビールが私たちの前に姿を現した。
11月には、BtoBの販路に加え、工場併設のタップルームを開設され、来訪一般客への直接提供を開始された。
その後「ものづくり補助金」の採択を活かして実現した「長期常温保存が可能となるクラフト瓶ビール」も商品ラインアップに加わり、2019年5月上旬には「大和橘(たちばな)ビール」を発売。奈良のアルコール界にしっかりと奈良醸造の「クラフトビール」という旗を立てられつつある。
「ビール特有の癖が苦手だという人にも、このやさしい奈良の味わいに是非出会って欲しい」と、個性と品質を重視した地ビール作りに対する「奈良醸造株式会社」様の夢は、ますます広がって行きます。