~かつての自社製品で町おこし~
ファン垂涎の「万年筆&カフェ」開店
【相談者プロフィール】
モリソン万年筆&カフェ
〒639-2215 奈良県御所市西町1069
TEL:0745‐63‐1881 / HP:http://www.morisonfactory.co.jp
【支援に至る経緯】
大正7年創業の「モリソン万年筆」は関西の代表的な万年筆ブランド。ご相談者の谷川岳彦様の祖父が大正7年に創業されました。戦後のボールペンの普及に押されて止む無く製造を停止し、現在は形を変えて他社製を扱っていますが、今でも愛用者からの販売依頼が絶えないとか。
実は以前から「いつかはカフェを開いてみたい」「カフェで古民家・町屋の地域活性につなげたい」という思いを持っておられたらしく、地元・御所市で万年筆の展示と自家製シフォンケーキの販売を試したところ大成功。後日にも開店のリクエストが寄せられたのを機に、念願の「カフェ開業」を決意されました。
「奈良よろず支援拠点」は、店のコンセプトや計画を考えていたときにパンフレットを見たのがきっかけ。「まずは問合せてみよう」と思い立ってご訪問されました。
【課題の整理と分析】
新規事業のため、まずは周辺の人口動態やその他マーケット情報から、集客等の方策を検討する必要がありました。
もちろん店舗の改装などで相応の資金が必要なことは明らかでしたので、投資費用等を洗い出し、必要資金を明確にすることも重要な課題でした。
そして歴史ある「モリソン万年筆」の知名度活用も、この新規事業には取り入れたいと考えていましたので、その検討も重要なポイントとなっていました。
【支援内容】提案とアドバイス
ご相談者は具体的な企画書をすでに作成していたので、担当コーディネーターとの意思疎通は早く、作業は順調に進みました。支援のポイントは以下の3つです。
- 1.「モリソン万年筆」というブランドの活用
- 2.古い街並みと古民家(地域資源)の活用
- 3.カフェという製造業から飲食業への業種転換の支援
具体的には、市場調査結果から想定された数字を元に具体的な収支に基づく事業計画の策定、金融機関の資金制度や知名度を活かしたクラウドファンディングの活用、市町村や地元商工会の連携サポートなどです。
【支援の成果】
具体的な数字に基づく事業計画書の成果が実って制度融資と資金調達も進み、イベント出店の日からちょうど1年後というスピードで、念願のカフェをオープンすることが出来ました。
店内は稀少な万年筆を鑑賞しながら、谷川夫妻の手作りパスタやカレー、シフォンケーキをゆったりと味わえる空間で、根強いかつてのモリソン万年筆のファンの気持ちに応える、新たな地域の名所となりつつあります。
ご相談者の谷川様からは「ほぼ思い描いていたとおりに開業ができました。やはり、自力だけでは実現は難しかっただろうと思います」と、嬉しいコメントをいただき、万年筆の輝きとともに、谷川様の目も輝いていました。