~経験とDIY技術を活かして蕎麦と鰻の店をオープン~
優先課題の合理的選定とアプローチおよび収益性の確保
【支援に至る経緯】
ご相談者はもともと何でも自分で工夫してやるのが好きな性分。
ゴルフ場のレストランを任されていましたが、「気力・体力の充実している今のうちに自分の思うようなお店をやりたかった」という気持ちの中で、たまたまいい物件を見つけることが出来ました。
そこで金融機関等から聞いていた「奈良県よろず支援拠点」に直接訪問されました。
【課題の整理と分析】
資金が潤沢ではない中で制度資金の利用など有利で確実な資金調達が求められる一方、開業を観光シーズンに合わせたいとのニーズもありました。
こだわりを持った食材を使っての日本食を提供しつつ、そこではお客様に受け入れられる価格設定が求められることから、精度の高い収支計画の策定とその検証が一番の課題となりました。
【支援内容】提案とアドバイス
日本政策金融公庫との合同相談会で資金確保の目途をつけたうえで、より有利な制度資金の活用も検討。開業時期の遅延で想定される機会損失額を算出して、比較検討することとしました。
何でも自分でやるというご相談者の気質から、DIYを駆使した初期投資額の削減と、人脈を活用した直接仕入れの導入による原価率の低減についても検討が必要でした。
同時に、季節による来客数の変化や想定客単価を慎重に検討するようにアドバイスしました。
【支援の成果】
飲食店勤務の豊富な経験と、アイデアに富むメニュー構成、DIYによる初期投資削減など、相談者の強みを明確に説明したことで、金融公庫からは早々に良い感触を得ることができ、資金面の精神的な不安がまず解消されました。
加えて奈良県の制度融資活用も検討したものの、年度跨ぎの利用が出来ないことや、不採択リスク、さらに実際の金利負担軽減額は開業が遅延した場合の機会損失に比べると少額であることなどを相談者が理解され、早期開業に全力投球されました。結果、5月の連休前に開業できました。
開業後は顧客目線のセットメニューが好評で、客単価は想定を30%以上も上回りました。土日では日本食を求める外国人観光客の来店もみられることから、現在はインバウンド対策も早急に講じているところです。