~山積みの課題をひとつひとつ解消~
職人気質の現場が利益を意識する現場に変貌
【相談者プロフィール】
株式会社 soliton corporation
〒630-8452 奈良県奈良市北之庄西町1-8-4
TEL:0742‐62‐0038 / HP:https://solitonbrush.com/
【支援に至る経緯】
奈良の筆技術の伝統に根ざし、筆記用具・アイライナーなどを大手文具、大手化粧品メーカーへ累計で約2億本以上納品している同社は、国内外に大きなシェアを持っています。
アイライナーの穂先販売が大きく伸びる中、ものづくり面での課題が山積みになり、特に精度の高い製造原価の算出が求められていました。
<製造に強い>奈良県よろず支援拠点に悩みを相談され、私たち担当コーディネーターと課題解決のための工程の見直しを行うことになりました。
【課題の整理と分析】
穂先の研究開発から行う同社の技術は、大手化粧品メーカーからも厚い信頼を得ていましたが、大部分の工程が熟練職人の経験による「暗黙知」によるものづくりで、現場改革は進んでいませんでした。
そこで、「全品種」×「全工程別」×「実績原価管理」を行うことを目標として、まず課題を明確にしました。
【支援内容】提案とアドバイス
現場課題を整理・共有したうえで、
- 費用/人員/時間/出来高の把握と試算時に適用させる適用基準レートの具体的なサンプルの提案
- 月次決算を充実させるため、次月事前管理もできる新決算書の導入の提案
- 工程別月次決算書活用と工程別原価管理の見える化指標管理サンプルの提示
などの具体的ツールの活用を提案しました。
生産工程を工程別グループに分けて直接費用・間接費用を集計し、各工程における個別原価の係数管理方法の構築を目指しました。
【支援の成果】
最も大きな成果は「職人気質の現場社員に利益に対する意識が醸成されることができた」こと(同社社長談)。
現場レベルで生産工程の無駄を数値を用いて確認できるようになったので、従来のような「定性的な指導」ではなく「定量的な」現場指導が出来るようになりました。
必要な利益を確保したうえで、月ごとの生産計画を組めるようになり、売上に対する利益率を一定に維持することが可能になり、最終的には顧客との有利な契約形態の獲得などが増え、資金繰りも大きく改善されました。