~脱修学旅行客への取り組み~
地元大学との連携で新たな顧客の開拓
【支援に至る経緯】
遷都1300年、猿沢池の東畔に建ち、情緒ある「おもてなしの宿」として事業を運営する同社は、修学旅行客への依存度が高く、季節的な繁閑差解消と売上の平準化が悩みでした。
売上拡大に向けての取組みやアイデアを積極的に取り入れたい意向のもと、奈良県産業・雇用振興部の紹介により奈良県よろず支援拠点に相談に来られました。
【課題の整理と分析】
従来以外の顧客層を新たに開拓する必要があり、そうした顧客層への情報発信の手法に関するアイデアの入手が最大の課題でした。
【支援内容】提案とアドバイス
事業アイデアの取り組みに向けて、産学連携を提案。同社支配人様をはじめとする旅館スタッフの方々と、奈良女子大学学生との宿泊顧客増加策に関するディスカッションの場を設定しました。
ディスカッションを踏まえて以下の提案を実施して、新規顧客の開拓と需要の平準化を推進していきました。
- ホームページの改訂とフェイスブックを活用した「旅館の日常」の情報発信。
- 同大学食物栄養学科との「食育」に関する共同取り組み。
【支援の成果】
ディスカッションに参加した地元大学生からは斬新なアイデアが続出。IT活用(SNS)による発信、食育をテーマとした食事メニューの提供など、今までの慣習には無かった取り組みが芽生えてきました。
それに触発されるように、従業員様からも様々なアイデアが創出されるようになったり、情報交換を通じて老舗旅館の現状を再認識することになったり、働く現場のモチベーションの向上にも繋がりました。
今回の相談をきっかけに、継続的に地元大学生とのディスカッションの場を設定することが実現。旅館活性化に向けた事業連携体制も確立でき、売上拡大に向けて大きな一歩を踏み出されました。