~故郷に小さく恩返しができるかも~
女性のためのコミュニケーション空間の創造へ。
【支援に至る経緯】
東大寺焼門の西側の閑静な住宅街の中に、割烹旅館だった築90年の古民家を改装した女性専用のホステルのオーナーが、ご相談者の松井美紀さん。10年以上勤めた東京の会社を退職する際、「自分の棚卸」をして気付いたのが「人をもてなすホスピタリティ関連が得意だった」ということ。「奈良にゲストハウスを造れば故郷に小さく恩返しができるかも」と一念発起して、奈良県のビジネスコンテストに応募することを思いつき、「コンテストに入賞するには、奈良県よろず支援拠点のアドバイスをもらって事業計画をしっかりつくることが大事」という話を耳にして、すぐさま電話をかけられたのが相談のきっかけでした。
【課題の整理と分析】
事業計画を作成しながら確認できたのは、資金調達の問題でした。そのうち、ビジネスコンテストに応募して入賞することよりも、実際に創業するにあたっての一番の課題に重点が移りました。
また、「すべてが行き当たりばったりだった」とご本人がおっしゃるように経営知識や経営ノウハウの不足も明らかになってきました。
【支援内容】提案とアドバイス
そこで、奈良県よろず支援拠点が実施している、無料の創業初心者セミナー「夢をかなえる土曜塾」(全5回シリーズ)に参加されることに。
土曜塾に通われるかたわら、担当コーディネーターと、融資制度や手続きのことを考えながら、事業計画を作成して、スムーズな融資につなげるよう、一つひとつステップを踏んでいきました。
また、松井さんが当初から考えていた「女性専用」というコンセプトも明確にしました。これは「改装する古民家のお風呂やトイレが男女共用の宿には不向きだと思った」ことと、「女性がコミュニケーションを楽しめる環境を創りたかった」という松井さんの想いを表したためです。
【支援の成果】
しっかりと準備した事業計画と、制度融資の活用支援にはコーディネーターと金融機関との連携も奏功して、スムーズに融資を受けることができ、無事女性専用ホステルがオープンしました。
オープンしてからは人気も上々。日中には、ワークショップも開催しており、さまざまなノウハウやスキルを持った、「何かを学びたい」という人をつなぐ貴重な場所を提供しています。
【ご相談者からの声】
『奈良県よろず支援拠点のコーディネーターの方には融資をしてもらうにあたってのステップをしっかり教えてもらいました。お陰でなんのトラブルもなく、スムーズに融資を受けることができました。奈良県よろず支援拠点から指導を受けているということが信用につながったのだと思います。よろず支援拠点と関係ができたのは本当にラッキーでした。』