~創業100周年を前にブランドを再構築~
編み物を“おしゃれ”で“センスの良い”イメージに!
【支援に至る経緯】
欧米での知名度も高く、多くの海外ファンをもつ同社の商品は、海外での販売が多くを占めていました。創業100周年を迎えるにあたり、自社の社名変更やロゴマークの見直しを検討されていました。奈良県発明協会に海外商標登録の相談に来られた際に「奈良県よろず支援拠点」を紹介され、支援がスタートしました。
【課題の整理と分析】
これからの同社CI活動を行うにあたり「複数の商品ブランドがあり、ロゴマークのデザインが統一できていないこと」、また「海外での販売を考えると【キ・ン・キ】という意味(発音)が良くないイメージを与えてしまうこと」の、2点を優先的に解消すべき課題として明確にしました。社名の変更を実施した際の市場に与える影響を考えると「近畿編針」という社名は変更せず、商品ブランドをしっかりと確立し、ロゴマークを変更することで「キンキ」の印象を払拭していく方向にコンセプトを決定しました。
【支援内容】提案とアドバイス
その後は「企業ストーリーの明確化」に取り組み、奈良県発明協会との連携で、国内外における商標登録のための補助金の申請やその時期の調整、一連の作業スケジュールの管理などを担当コーディネーターと細かく調整しました。
CI活動の中心となるロゴマーク制作は、奈良県よろず支援拠点の紹介で地域ブランドの活性化に実績と定評があるデザイナーに依頼しました。
支援と相談の中で出てきた「新たにブランドを創るのであれば、減少傾向にある手編み業界のイメージを“おしゃれ”で“センスの良い”ものとして認識してもらいたい」という相談者の想いをコンセプトに加えて、100周年に向けたブランド『Seeknit(シークニット)』が出来上がりました。
【支援の成果】
新しい商品ブランドの設定に合わせて、社内のショールームも一新し、ゆっくりと商品を見て選べ、ワークショップなどで実物に触れられる提案型の心地良い空間も創出して、ブランドと商品のイメージの融合に成功しました。
また、今回の支援活動において、イメージ作りなどで社内で会議を重ねたことで「社員の会社に対する想いも改めて知ることが出来た」「100周年の節目に、会社の方向性を考える上で非常に有意義だった」と、当初の予想をこえた思わぬ収穫もありました。
【ご相談者からの声】
『奈良県よろず支援拠点は、とても相談しやすく、アドバイスも的を射ており、専門家であるデザイナーやアドバイザーとの連携もスムーズでした。そのうえで打ち合わせが進んでいく中でも会議にも参加してもらうなど、サポートも万全でした。今後も設備の入れ換えや製造ラインの改善についてなど、今回とは違う課題についても継続して相談していきたいと思っています。』